arrows N F-51Cの購入動機
arrows Be系の後継を待っていたのだが出ない。それどころかFCNTが民事再生法を申請(実質的に破産)をしてしまった。そんな中での割引。最後のarrowsになりそうだというのとハードウエア的にはそれほど悪くないので2年で返却を前提に購入。割引前の価格は一括で98,780円、いつでもカエドキプログラムで49,940円+残額48,840円のところ一括が73,480円、いつでもカエドキプログラムが24,640円+残額48,840円となった。意識低い系なのでエシカルとかサスティナブルとかはどうでもよく純粋に端末の出来として評価している。
サイズと重量
幅に関しては実測で72.4mm。個人的には許容できるギリギリか。これにTPUケースをつけると74mm超になってしまう。AQUOS sense6はTPUケースを付けて72.2mmなのに。重さもカタログスペックで171g。AQUOS sense6の156g、Xperia 10 IVの161gと比べると重い。TPUケース、ガラスフィルムを付けるとサイズ、重量ともに許容できる範囲を超えてしまうのでTPUの背面保護フィルムとPETフィルムで対応。
arrows N F-51Cスペック
Xperia 10 IV等のミドルスペック機と主に違いが出る項目は以下の通り。
- SoCはXperia 10 IVと同じくSnapdragon 695 5G。
- ディスプレイは有機ELでリフレッシュレートは120Hz。Xperia 10等は60Hz。
- RAM:8GB、内蔵ストレージ:128GB。Xperia 10等はRAM:6GB。
- メインカメラは1/1.55型。AQUOS sense7と同じ。Xperia 10 IVは1/2.8型。Xperia 10 Vでも1/2.0型。ただしXperia 10は望遠レンズがある。
- USBは3.1Gen1(転送速度5Gbps)。Xperia 10等は2.0(転送速度480Mbps)。Flac等を大量に転送する場合は結構差が出る。ただし充電はUSB PD2。Xperia 10等はUSB PD3。
- 生体認証は指紋認証と顔認証。個人的には電源ボタンが指紋認証一体型の場合は顔認証が使えないと操作性が悪い(ロック画面からのスクリーンオフがギクシャクする)。
- Dolby Atmosに対応。Xperia 10はDSEE Ultimate、360 Upmixに対応。AQUOS senseは特になし。
- イヤホンジャックはないがUSBがアナログオーディオ対応
- OSアップデートは最大3回、セキュリティパッチは最大4年(2027年1月まで)。セキュリティパッチ、Xperia 10 IVは2025年6月、これから出るXperia 10 Vでも2026年6月。ただこれに関してはFCNTの民事再生法申請でどうなるかわからない。とは言え「ドコモのarrows N F-51C」なのでドコモが責任を持って履行すべきなのだが(とは言っても「最大」なので……)。
これらの違いを踏まえて最近発表されたXperia 10 Vの価格が8万円前後であることを考えるとarrows N F-51Cの73,480円は決して高くなく割引前の98,780円でも妥当なのではないかと思えてくる。端末高くなったなぁ……。ちなみにPixel 6aがarrows N F-51Cに近いサイズ感とスペックだが178gとさらに重くn79非対応なので脱落、Pixel 7aでn79対応するも193gと論外になってしまった。Pixel 8待ちか。Zenfone 9もn79非対応なのが痛い。ドコモ網を使うつもりがないのであればZenfone 9は良い選択肢だがサポート期間が読めないのがよろしくない。実際には2年で買い換えるかもしれないがサポート期間は長い方がよい。サポート期間は2年で買い換える原因の一つでもある。
arrows N F-51Cイヤホンジャックのハイレゾ出力
対応していそうなのだがアナログのType-C・3.5mm変換アダプタでハイレゾ対応のものがないので確認ができない。再生周波数帯域以外の値は悪くない(といっても再生周波数帯域以外の項目は評価が難しい)。もっともイヤホンでハイレゾ出力されていても聴感上はわからないと思われるのであまり気にしてもしかたないのだが。ちなみにアナログの変換アダプタはあくまでもイヤホンの代わりとして動作するのでNeutron Music Player等のようなUSB対応アプリもポップアップがでるようなことがない。
(06/25追記)USB Audio Player Pro (UAPP)で設定を変更したところ96kHzの音源で20KHz超がちゃんと再生できた。UAPPの設定で
- 内部オーディオドライバをハイレゾダイレクトドライバ
- ハイレゾオーディオのビットパーフェクトモードをオン
- AndroidオーディオのAndroidサンプルレートを端末の標準サンプルレート
とすることでOK。最後のAndroidオーディオのサンプルレートはAQUOS sense6では弄る必要のなかった項目。このあたり端末毎にいろいろ違うのでアプリやその設定との組み合わせで出力できたりできなかったり。Neutron Music Playerでは出力できなかったような……
Dolby Atmos
arrows N F-51CはDolby Atmosに対応している。デフォルトでオンになっているがハイレゾ音源では適用されない(アプリによる)。arrows N F-51Cの資料は現時点でないがF-52AのQ&Aに記載されているし実際にYT Musicで再生したところそのような動作となった。モードとしては自動制御のダイナミック、映画、音楽、カスタムとある。カスタムではインテリジェントトーン、ステレオワイドニング、リバーブを除去、ダイアログエンハンサー、グラフィックイコライザーが調整でき映画、音楽はこれらの一部の項目が調整出来る。Dolby Atmosが規格としてハイレゾと排他というわけではなさそうだがマシンパワーも必要になるだろうし当面、スマホでは排他の扱いになりそう。Apple Musicでもハイレゾか空間オーディオ(Dolby Atmosに何か付け足してる?)の選択制のようだし。ハイレゾとDolby Atmosのどちらがいいかという考えをする必要はなく好きなように聴けばいいと思う。ただハイレゾはそもそもイヤホンでは無意味派なのでDolby Atmosの方が変化がわかりやすいと思う。もっともそれが好みかどうかはまた別の話になるが。個人的には今のところオリジナルに近い音を聴く派なのでDolby Atmosはオフにしている。とはいえ作った人が「こういう音にしました」と意図しても再生環境が異なるとその音にはならないのでオリジナルの音に拘ってもあまり意味がなかったりする。そう考えるとせっかくなのでDolby Atmosを使ってみるかという気にもなる。
(2025/01/04追記)せっかくなのでDolby Atmosの音楽を適用した場合のRMAAも載せておこう。
音楽再生アプリ
arrows N F-51Cで音楽を再生する方法はF-51CのQ&AによるとFilesを使用するとなっているがFilesはその名前の通りファイル管理用のアプリなのでこれを音楽再生アプリとするのは無理がある。Android標準のアプリとしてYT Musicがインストールされているがこれまた自分でCDから取り込んだ楽曲を再生することを前提としてない。一応再生は出来るが使い勝手がすこぶる悪い。そう、arrows N F-51Cには音楽再生用のアプリが実質インストールされていないのである。これはAQUOSも同様な状態。Xperiaはさすがにアプリがインストールされている。ということで一応お勧めのアプリ。
- USB Audio Player PRO:通称UAPP。有償。イヤホンジャックからのハイレゾ出力可能。
- foobar2000:無償。イヤホンジャックからのハイレゾ出力不可。
この二つはリプレイゲインに対応しm3u8形式のプレイリストを読めるのがよい。foobar2000はイヤホンジャックからのハイレゾ出力不可とはいえType-C DACを接続すればハイレゾの出力は可能である。ハイレゾよりDolby Atmosの方が変化があって面白いということでそちらを優先するなら無償のfoobar2000でいいかもしれない。ただfoobar2000、プレイリストを使用すると再生を停止してから再開する際に再生画面ではなくプレイリスト画面に戻ってしまうことがありそこが少し不便である。UAPPでもDolby Atmosを利用することは可能なので多少コストがかかるがUAPPというのもあり。
arrows N F-51CのType-Cコネクタ
順序が逆転する感はあるがarrows N F-51CのType-Cコネクタに関して少々。大抵の端末のType-Cコネクタは音楽に関してはデジタル出力しか対応していないがarrows N F-51CのType-Cコネクタはアナログにも対応している。これはType-Cの規格として正式に定義されている。デジタル出力場合、接続するのはType-C DACだがアナログ出力の場合はType-C・3.5mmの形状変更のアダプタとなる。ただアナログ出力の出来る端末は限られている。arrows N F-51Cがアナログに対応させた一番の理由はFMラジオではないかと思う。スマホではイヤホンのコードをFMラジオのアンテナとして使用するがデジタル出力では仮にアンテナとして使えるとしてもType-C DACまでである。FMの電波は波長が長いのでアンテナとしては90cmくらいの長さが必要なのでType-C DACまでの線の長さでは全く足りない。ということでarrows N F-51CはFMラジオを使用可能とするためにType-Cをアナログにも対応させたと思われる。問題はアナログのType-C・3.5mmの変換アダプタが少ない。自分はイヤホン・ヘッドホン用 USB Type-C変換ケーブル - EHP-C35DS01BKを使用している。
カメラ
暗所。フルHD。30fps。14145kbps。
フルHD。30fps。14138kbps。
Android 14に更新
(2024/11/02追記)長らく放置されていたarrows Nだが2024年10月29日のAndroid 14へとバージョンアップされた。セキュリティパッチは2024年8月。少し古いがOSバージョンアップの場合は他機種もだいたいこんな感じ。今月中か遅くとも来月中に更新が入ればよし。
設定画面の構成はAndroid 14標準のものになった。Xperia 10 IVがイヤホンでのハイレゾ出力でやらかしていたのでRMAAをとってみたがYouTube Music、UAPPともに問題なかった。UAPPは内部オーディオドライバをハイレゾダイレクトドライバにするだけで大丈夫。というか他の設定も変更するとハイレゾ出力にならない。また、最初に繋いだときスピーカーから音が出てしまいType-Cアナログオーディオが削られたかと思ったがそんなことはなかった。arrows We2はヘッドホンマークが出てわかりやすいのだが。
とりあえずはここまででそのうち追記する。