そもそもハイレゾ対応とは?
まずハイレゾとは何かということだが、CDに始まったデジタル音源はサンプリング周波数(1秒間に何回音を切り取るか)とビット深度(音の大きさをどれだけの数に分解するか)ともので再現出来る音が決まってくる。CDのサンプリング周波数は44.1kHz、ビット深度は16bitである。ハイレゾ音源はそれを超える値で作られている(一応48kHz/24bit以上となっているが大抵は96kHz/24bit)。まずはその音源が再生出来ることが前提。しかし、現在の端末は限界はあるもののハイレゾ音源の再生は可能である。問題は再生した音を最終的にアナログデータとしてCDを超える音(特に高音域)が出力出来るかがハイレゾ対応か否かの判定になる。CDの44.1kHzというのは人間が聞こえる音の上限が20kHzなのでそれを再生出来ること、というところから決まっている。しかし実際の音には20kHzを超える成分が含まれているし人間も肌でそれを感じて音に影響があると言われてきている。なので20kHzを超える音が出力出来るかが一つの目安となる。
arrows Be3 F-02Lはハイレゾ対応だけど…
arrows Be3 F-02Lはハイレゾ対応になっている。一方でAndroidはAudio Flingerという部分でサンプリング周波数を48kHzに強制しているという話も聞いた(48kHz/24bitでも一応はハイレゾだがAndroidは16bitだったかも。その場合はハイレゾ認定されない)。あれ?そうなるとハードウエアとしてハイレゾに対応していてもOSがそれを生かし切れていない?ちょっと気になったので実験してみた。
RMAAというアプリで測定してみる
といってもmp3とCDを聴き分け出来ない糞耳である。どうしようかと調べてみるとRMAA(RightMark Audio Analyzer)というフリーのアプリがある。このアプリで再生している周波数がグラフで見れる。これであればハイレゾ(96kHz/24bit)の音源を再生した際にイヤホン出力に20kHz超の音が含まれているか否かが分かる。
Windows PCにアプリをインストールしF-02Lのイヤホン出力をPCのLINE INに入力すれば測定が可能である。PCにLINE INの端子があるかはPC次第。デスクトップならあると思う。とりあえずその辺に転がっていたケーブルでF-02Lのイヤホン出力をPCのLINE INに繋いでみた。しかしF-02Lのスピーカーから音が出てしまった。LINE INは本来LINE OUTを繋ぐものでLINE IN/OUTとイヤホン出力では電気的特性が異なるので端末からするとイヤホンが刺さっていると認識しないのだろう。調べて見るとイヤホン出力とLINE INを繋ぐための変換ケーブルがあるのでそれを調達。オーディオテクニカ製のAT544Aというもので実売で約1,000円。これでF-02LとPCを繋いだところ無事にイヤホン出力とLINE INが繋がった。そうそう端末と繋いでテストをする前にPCのイヤホンからLINE INに繋いでLINE INが20kHz超を計測出来ることを確認した方がいい。PC側の入力としてはLINE INの他にマイクもあるがこちらは20kHzでカットされている模様。RMAAで計測をする場合は出力側の音量や入力側の感度等をきちんと調整した方がいいのだが今回は周波数特性で20kHz超があるかないかをみたいだけなので計測可能であればOKという程度の調整しかしていない。出力側を最大にして入力側を絞った方がノイズの影響を受けにくいと説明しているサイトもありその理屈は分かるが歪などは普段聞いている音量で確認すべきと思うので出力側を普段のボリュームに固定して入力側で固定したい。が、変換ケーブル程度では測定可能な音量までレベルがあがらず結局、出力側のボリュームはMAXになった。周波数特性みるだけだからOK。
結果
さて、前置きはこのくらいにして結果だが20kHz超の音を出力できたのはGoogle 純正のPlay Musicだけであった。いくつかのアプリ(ONKYO HF Player、foobar2000、FiiO Music)を試してみたがいずれも20kHz超の音を出力出来なかった。純正以外のアプリはAudio Flingerを回避出来なかったのだろう。foobar2000に関してはOpelSLを使用するとAudio Flingerを回避出来るという情報もあったが計ってみると出来ていなかった模様。さらにHF Playerは15kHz付近から音が垂れている。アプリにあるイヤホン設定の問題だろうか?ということでハイレゾ再生を行うためにはAndroid標準のPlay Musicを使用しましょう、ということになる。
(追記)Neutron Music Playerでハイレゾ再生が出来た
Neutron Music Playerという有料アプリでハイレゾの出力ができた。他にも有料のアプリであればハイレゾの出力が出来るものがある。