最近のIP電話は音がいい?
(2019.10.22)いろいろ情報を仕入れたので大幅書き換え。
ページタイトルはちょっと盛り過ぎだなw。事の発端は最近ドコモのVoLTE端末からSMARTalk(今年の5月にFUSION IP-Phone SMARTからサービス名称を変更していた)の端末(iPhone SE+光100M回線+WiFi)に電話をして通話が上手く出来ないことが多かったことから。おそらくドコモ端末側の状況がよくないのだと思われる(都心で混雑?)。それならとドコモ端末側もSMARTalkにしてみたところとてもクリアに通話が出来た。接続を比べてみると
VoLTEからSMARTalkの場合
マイク - AD変換(G.722.2) - LTE回線 - 基地局 - PSTN(G.772.2→G.711変換) - SMARTalkサーバー(G.711→端末指定コーデック) - DA変換 - スピーカー
SMARTalk同士の場合
マイク - AD変換(端末指定コーデック) - LTE回線 - 基地局 - インターネット回線 - SMARTalkサーバー(発信端末指定コーデック→受信端末指定コーデック) - DA変換 - スピーカー
SMARTalkから固定電話の場合
マイク - AD変換(端末指定コーデック) - LTE回線 - 基地局 - インターネット回線 - SMARTalkサーバー PSTN(発信端末指定コーデック→G.711) - DA変換 - スピーカー
ちょっと怪しいけどこんな感じか?今はPSTN(公衆交換電話網)もデジタルなのでここを通すのにDA変換は発生しないようだがPSTNを流れるデータのコーデックがG.711というものでVoLTEのG.722.2とは異なるためコーデックの変換が発生する。一方でSMARTalk同士の場合、出し側と受け側のコーデックを合わせれば変換は最小回数で済む。固定電話にかける場合でもG.711を指定すれば変換回数は少なくなるのでは?また、コーデックの特性としてG.711は遅延が非常に小さく(0.125ms)使用する帯域が多い(64kbps)のに対してG.722.2は遅延がG.711よりは大きく(20ms)使用する帯域は少ない(6.6kbps~23.85kbps)という違いがある。G.722.2のメリットとしてはサンプリング周波数が16kHz(G.711は8kHz)なのでより高い音まで表現できる。しかし音声は通常4kHzまでしかないため音声の伝達としてはG.722.2はオーバースペックでありそれを得るために遅延が大きいという状態である。固定電話の通話品質と要求される遅延は100ms未満なのでG.722.2でもまだ余裕はあるがAD変換の為に使用する遅延であり回線自体の遅延やG.722.2とG.711の変換に伴う遅延を入れると結構厳しいのではないか。そうであればSMARTalkでG.711を指定した方が通話が高品質でも不思議ではない。G.711は回線品質を要求されるので昔のLTE回線(場合によっては3Gだったし)では厳しかっただろうが回線が整備された現在では通話品質が大幅に改善されていても不思議ではない。実際、NTT系の会社の電話番号は050を結構使用しているしIP家電はモバイルIP電話のような通話品質の悪さはないという情報もよく見る。一度の通話だけで判断するのはよくないが通話の定額化で下火になった感じのIP電話をまた見直してもいいのかも。同じ会社同士のIP通話は大抵無料なのでキャリアの通話定額オプションを外せるかもしれない。