ドコモから「Xperia Ace II(SO-41B)」と「arrows Be4 Plus(F-41B)」が発表された
ドコモから「Xperia Ace II(SO-41B)」と「arrows Be4 Plus(F-41B)」が発表された。価格的にはエントリーモデルである。しかし入門者向けだから低価格、低スペックでよいとは一概に言えない。車ではハイパワーな車は初心車では危ないということもあるがスマートフォンでは高性能な機種を入門者が使用したら危ない等ということはない。性能を使い切れないということはあるが性能を使い切るためにスマートフォンを使うのではなくやりたい事があるからスマートフォンを使うのである。その際に低スペックの機種では制約が出てしまう。高スペックの機種であればそのようなことが起こりにくい。費用さえ問題がなければ高スペックモデルを使用した方がいいのである。低スペックモデルはわかっている人が費用を最小限に抑えるために存在しているとも言える。
スペックの比較
スペックとサービス・機能 | Xperia Ace II SO-41B | スマートフォン(4G) | 製品 | NTTドコモ
スペックとサービス・機能 | arrows Be4 Plus F-41B | スマートフォン(4G) | 製品 | NTTドコモ
ドコモの機種に関しては上のように詳細なスペックが出ている。これを見ながら両者を比較してみる。
Xperia Ace II(SO-41B) | arrows Be4 Plus(F-41B) | |
---|---|---|
サイズ | 約140mm x 約69mm x 約8.9mm | 約148mm x 約71mm x 約9.4mm |
重量 | 約159g | 約160g |
VoLTE | VoLTE(HD+)(EVS-SWB)に非対応 | VoLTE(EVS-WB)に非対応 |
連続待受時間(静止時) | 約810時間 | 約790時間 |
連続通話時間 | VoLTE(AMR-WB):約1670分 | VoLTE(AMR-WB):約1540分 |
バッテリー容量 | 4500mAh | 3600mAh |
USB PD | 対応 | 非対応 |
ディスプレイ | TFT、HD+ | 有機EL、HD+ |
CPU | Helio P35、2.3GHz+1.8GHz | Snapdragon 460、1.6GHz+1.8GHz |
最大送信速度 | 75Mbps | 50Mbps |
最大受信速度 | 262.5Mbps | 150Mbps |
ハイブリッドラジオ | 非対応 | 対応 |
カメラ | 約1300万画素、F値2.0、1/3.0インチ | 約1310万画素、F値1.8、1/3.06インチ |
Bluetooth | aptX:非対応 | aptX:対応 |
ハイレゾ | 非対応 | 対応 |
Widevine Level 1 | 非対応 | 対応 |
HDCP | 非対応 | 2.3対応 |
MIL規格 | 非対応 | 23項目対応 |
異なる点はこのような感じ。サイズは「Xperia Ace II(SO-41B)」の方がコンパクト。「arrows Be4 Plus(F-41B)」はできれば70mm以内に抑えて欲しかった。重量の1グラムはまずわからないだろう。
VoLTE(EVS-WB)はVoLTE(EVS-SWB)の下位なので「arrows Be4 Plus(F-41B)」が対応していないのは問題ない。というか「Xperia Ace II(SO-41B)」がVoLTE(HD+)(EVS-SWB)に対応していないのはどうなのだろう?VoLTE(HD+)に対応している機種はVoLTE(EVS-WB)には対応しないとしたら実質素のVoLTEしか使えないことに。まあVoLTE(EVS-WB)だと素のVoLTE(EVS-WB)と変わらなそうだが。
使用可能時間はバッテリーサイズの分「Xperia Ace II(SO-41B)」が有利だが「arrows Be4 Plus(F-41B)」でも1日は持ちそう。1日持てば帰宅して充電するだけなのでそれ程問題にはならないだろう。
ディスプレイの解像度はどちらもHD+。これもスマートフォンサイズなら問題ないだろう。334ppi、327ppiとなる。ちなみにiPhone 7は326ppi。
通信速度は「Xperia Ace II(SO-41B)」が高速だがこちらも実際の速度で差が出るかどうか。
ハイブリッドラジオはラジスマか?カメラも画素数、センサーサイズはほぼ同じ。F値は「arrows Be4 Plus(F-41B)」がいい。
「Xperia Ace II(SO-41B)」がハイレゾ非対応なのも意外。個人的にはハイレゾ音源には否定的だがハイレゾ対応機器は一定レベルの水準に達している判断になるのでそれに非対応だとどの程度の音質になるのだろうか。またWidevine Level 1に非対応というのも映像コンテンツを見る際に問題になりそうである。
映像と音響を捨て去って「Xperia」を名乗るのってどうなのだろう?
SoCの違いに関して
SoCは「Xperia Ace II(SO-41B)」がMediatek Helio P35 MT6765、「arrows Be4 Plus(F-41B)」がQualcomm Snapdragon 460。どちらもエントリーレベルである。性能の比較に関しては
Qualcomm Snapdragon 460 vs Mediatek Helio P35 MT6765 vs Qualcomm Snapdragon 450
を参考にしてみた。トータルスコアでP35はSnapdragon 450にも負けているがP35とSnapdragon 450だけの比較にするとP35が上回る。これは評価に使用される項目数が変化するためと思われる。P35はCPU性能は高くGPU性能が低いという傾向だがSnapdragon 460との比較ではどちらの項目も負けている。ベンチマークのスコアが十分高ければその差をそのまま端末の性能差として感じるわけではないがこのクラスでは差を感じると思われる。
全体的な感想
「Xperia Ace II(SO-41B)」はベンチマークのスコアが低いということ以上にディスプレイも音響も拘りがなく「Xperia」を名乗るのはブランドイメージを毀損するのではないかというくらいに疑問である。「ドコモ Ace II」とかの名前の方がよかったのではないか。「arrows Be4 Plus(F-41B)」は前機種からほぼ全ての部分で向上している。欲を言えばサイズと重量は抑えて欲しかったが。幅69mmという機種は他にもある。幅に拘るならXperia 10系を選んだ方がよさそう。価格で選ぶなら「arrows Be4 Plus(F-41B)」はありかと。どうしても全体的なサイズを抑えたいというケースくらいしか「Xperia Ace II(SO-41B)」を選ぶ理由はなさそうである。